留学生必見!どういう意味?ドイツのサッカー指導現場でよく聞く4つの言葉!

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サッカーは海外から日本に入ってきたスポーツだな、とドイツでサッカーの指導をしていると思わされます。

例えばドイツ語で、ボールを持っている選手の位置から見た相手選手の影になっている部分の事をDeckungsschatten/デックングスシャッテン(直訳:守備の影)と言います。

日本語や日本で使われるサッカー用語で誰が聞いても「あ、相手の影に隠れている事ね」と言える言葉はあるでしょうか?

この様にドイツでサッカーの指導をしていて、こちらで使われているサッカー用語で日本語になかなか翻訳しずらいものであったり、そもそも概念として存在しない様な言い表し方をしている言葉もあります。

ここから紹介するドイツサッカーで欠かせない4つの言葉は次となります。

・effektiv(エフェクティブ)
・Durchsetzungsvermögen(ドォーヒゼッツォングスフェアムューゲン)
・Tiefe(ティーフェ)
・Tempo(テンポ)

今回の記事では、ドイツの指導現場でよく聞かれるサッカー用語を紹介しながら、その言葉から見えるドイツサッカーのスタイルや大事とされているポイントを紹介していきます。

1.ドイツ人は性格的にサッカーでも効果的かどうかを求める

ドイツの教育システムで有名なのが、子供達が小学5年生の段階で自身の将来の進路を選ばないといけないというものです。

小学4年生の年代までの間の成績を元に、大学進学を見据えた学校、専門職を身に付ける事に特化した学校、またこの2つの学校の間に位置する学校か、選択に迫られます。

この教育システムに対しては色々な意見があるかとは思いますが、子供達の将来を早い段階で見極め、効果的な教育が学校で出来る様になっています。

効果的な教育を進めるドイツではサッカーのプレーに対しても効果的かどうか?が問われます。

例えば、あるチームの中盤の選手の評価を監督に聞くと「パスが上手くないね」という言い表し方ではなく「効果的/effektivなパスが出来ないね」という表現をします。

ここで言う効果的なパスとは、ボールを動かす事で相手を動かし、ギャップを作るきっかけとなるパスを指します。

パス成功率は100%でも、安全なボールを横や後ろにしか出さない中盤の選手は評価されず、極端に言うとパス成功率は70%だけど、通ったパスの数本は効果的だった、という選手が評価されるのがドイツです。

ドイツの教育システムからも見られる様に、ドイツ人はより効果的なプレーを好む傾向があります。

ドイツにチャレンジしに来る選手は、チームが求めるサッカー、ゲームの状況に応じた選択肢を頭に入れ、そこから逆算をした効果的なプレーを目指してみて下さい。

2.筋力じゃない、サッカーにおける貫き通す力とは?

ドォーヒゼッツォングスフェアムューゲンという絶対的に噛んでしまいそうなドイツ語があります。

Durchsetzungsvermögen = 貫き通す力(突破力)

この言葉はフォワードやウィングの選手の評価をする時によく使われます。

「この選手上手いんだけど貫き通す力がないよね」と、特に日本人選手をドイツのチームでトレーニング参加させた時によくドイツ人指導者に言われました。

この貫き通す力というのは、上手い下手関係なく自分のプレーを完結する力の事を言います。

日本人選手は本当に上手い選手が多いです、ただ1人2人の相手選手を交わしたはいいけど最終的にはラストパスを出す前にボールを取られてしまう、など最後までプレーを完結する事が出来ない選手も多いと感じています。

その様な選手はドイツ人指導者から貫き通す力がないよね、という評価になってしまいます。

ドイツ人選手は日本的な感覚での足元が上手い選手はそういませんが、全体的に貫き通す力を兼ね備え、プレー(シュート、センタリング、ラストパス)を完結させる能力が高いイメージです。

その他にも相手選手に体を当てられながらもボールを持って前進していく選手なども貫き通す力が強いと評価されます。

自分には貫き通す力が備わっているか?自身のプレーを振り返ってみてもいいかもしれません。

3.ドイツサッカーでの幅と深さ、深さの比重が高い!?

これは個人的な感覚ですが、ドイツではサッカーの際の幅の取り方をもちろん大切にしていはいますが、それよりも深さ深い位置を使う意識がすごく強いです。

深さ = Tiefe(ティーフェ)
深い位置 = Tiefgang(ティーフガング)

ドイツサッカーでは球際の激しさなどが注目されていると思いますが、攻守に渡り切り替えの早いサッカーが特徴でもあります。

ボールを奪った際の切り替えのシーンで一旦状況を落ち着かせよう、というチームよりも、ボールを奪ったらまたすぐに相手のゴールに向かってカウンターを仕掛ける、というチームがアマチュアレベルでも多く存在します。

その為、攻守の切り替えへの速さが選手の評価にも大きな影響を与えます。

そしてボールを奪った際の素早いカウンターで必要になるのが、幅よりも深さになります。

ボールを持っている選手にはなるべく深い位置を見る事が求められますし、ボールを受ける選手も深い位置へのスプリントを求められます。

「何故こんな毎回縦に急ぐんだ!?すぐにボールを失ってばかりだから一度落ち着かせよう」という考え方は決して間違いではありません。

ただそれでもボールを失う事を恐れて安全なポゼッションをするよりも、相手が陣形を整える前にカウンターのチャレンジをするというプレーをドイツではプラスに捉える傾向が強いです。

郷に入っては郷に従え。この事実を知っておけば、ドイツに来た時のサッカーカルチャーショックも少なくて済むかと思います。

4.縦に早いドイツサッカー

テンポ、テンポー!!!

ドイツのサッカー場では本当によく聞くフレーズです。

日本でテンポと聞くとポンポンとテンポ(リズム)良くというようなイメージを持つかもしれませんが、ドイツ語でのテンポ/Tempoはスピード速くといった意味があります。

先ほどの深さの所でも紹介したように、ボールを奪った後に縦に速いカウンターを選択するチームが多いドイツでは、カウンターの際のスピードも重要になります。

最前線で深い位置でボールを受けるべくスプリントをする選手もそうですが、カウンターの第2波を可能にする後方からの駆け上がりをスプリントでその他の選手もしなければなりません。

そしてその逆もまた然りで、ボールを失った後のチームも相手のカウンターを防ぐために全力で自陣へ戻らなければなりません。

この2つの局面でのスピードがドイツでは物凄く求められますし、結果的にプレー強度も高くなります。

ドイツでプレーする際にはフィジカルの強化は必須だと思っていいでしょう。

まとめ:用語がドイツサッカーの特徴を表す

今まで紹介してきたドイツのサッカー用語が、まさにドイツのサッカーで選手に求められている部分だと考えられると同時に、ドイツサッカーの特徴も表しています。

まとめると、ドイツサッカーは縦に早く、この縦の早さを出すために深さとスピードが必要になります。

そして目的から逆算した効果的なプレーを選択し、そのプレーを完結させる貫き通す力が評価されます。

ドイツにチャレンジをしに来る選手は本記事で紹介したドイツのサッカー用語=特徴を頭に入れ、自分のプレーにも是非落とし込んでみて下さい。

また今はまだ日本にいるけど、将来的に海外への挑戦を考えている選手もプレーの振り返りに、上記のポイントを使ってみるのも面白いと思います!

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