マルチスポーツでサッカーが上手くなる?!行なうべき5つの理由

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サッカーが上手くなりたい。

これはサッカー選手であれば、年齢に関係なく、全員が思っていることです。

またはサッカーの指導者であったり、自身の子供がサッカーをしている親御さんも同じく、子供たちが成長出来るように日々考え、取り組んでいることかと思います。

そしてやはりサッカーが上手くなるためにはサッカーをたくさんしなくてはいけないと、考えている選手、指導者、親御さんも多いことでしょう。

今回はオランダでは育成の名門であるアヤックス、ドイツ国内ではこちらも育成で有名な、シュトッツガルトなどが実際の育成年代に取り組んでいる「マルチスポーツトレーニング法」というものを紹介していきたいと思います。

サッカーが上手くなるためには練習全てをサッカーにしなければならない。そう思っている人ほど読んでいただきたいなと思います。

1.サッカーが上達するマルチスポーツトレーニング法を動画で確認!

2.そもそもマルチスポーツトレーニング法とは何か

まずはそもそも、この「マルチスポーツトレーニング法」とは何かというところから説明していきたいと思うのですが、

あらゆる動き、動作を習得することによって動きの多様性を伸ばすトレーニング方法のことを「マルチスポーツトレーニング法」と言います。

子供の頃からサッカーだけをやってきた選手と色々なスポーツに取り組んで育ってきた選手では、その選手自身の動きの幅が違ってくるということです。

聞き馴染んだ言葉で言うならば「運動神経」であったり「運動能力」に置き換えることができるかと思います。

実際に早い段階でサッカーを専門的化した選手と多スポーツ化のアプローチを受けた選手(遅い専門化)では、最初こそ、早い段階で専門化していった選手の方が伸びていきますが、将来的に見るとマルチスポーツトレーニングを受けた選手の方が結果的な成長曲線が高い事が以下のグラフを見るとわかると思います。

よって、子供の時ほど、色々な動き、スポーツを経験させることによって結果としてその選手が将来的に大きく飛躍する手助けとなるのです。

3.マルチスポーツのメリット5つ

では具体的にマルチスポーツを行うメリットを5つ紹介していきます。

①幅広い基本動作とコーディネーション能力の育成

自分の体を自由に扱うことができるということは、後に色々なテクニックを身につけていく上でとても重要な要素となります。

特にこれから紹介する10個の基本的な動作モデル、以前にサカストで紹介した7つのコーディネーション能力『ドイツサッカーで重要視されている7つのコーディネーション能力とは?』がその後のサッカー選手としての基本となるので、ぜひ積極的に鍛えていきたいポイントであります。

②動作の才能の発見と育成

サッカーだけをしているとわからないことも多くあります。例えば投げるという動作に関して素晴らしい才能を持っていたとしても、サッカーだけを行なっていたのではその能力に気づくことが難しいでしょう。そういった子供にはそういった道へ進んでいけるように促してあげることも育成年代では大切なことになります。

または走るのが速い子ならば、その得意なところを積極的に伸ばしてあげることで、サッカーというスポーツにおいても、大きな武器となるかもしれません。

そういった才能に気づく場を広く持つことがマルチスポーツトレーニングでは可能になります。

③負荷のバリエーションにより怪我のリスクを避ける

小さい頃から何百回、何千回と同じ足でボールを蹴っていたら、もちろんですが、大きな負担が同じ箇所だけにかかることになります。

有名なところで言えば、野球の肩や肘などが挙げられますが、その他のスポーツでも特に負担がかかる場所というものがあるはずです。

そしてそれらをまた甘く見ることはできません。その子供の頃の怪我が原因でスポーツ自体を諦めなければいけないことも多くあるのです。

その点、多くのスポーツを一定期間で変えていくことによって、負荷のバリエーションは変わることになるので、もちろん怪我のリスクも減っていきます。

④日々のトレーニングの中に変化を入れる

日々の練習に変化を加えてあげることで、最終的にサッカーのトレーニングに戻ってきたときにも、楽しんで積極的に参加することができるようになります。

例えばそれが、暑いから夏はプールで泳ぐとか、冬は雪の中でウィンタースポーツを行うでも良いでしょう。

まずは楽しむこと。これが結果的に練習の濃度を上げ、能力の向上に大きく貢献することになります。
そのための変化だと考え、楽しめるように工夫してあげることが大切です。

⑤運動能力の限界を引き上げる

これは①に似通った部分があるかと思いますが、まずは自分の体を思った通りに扱うことができるということが大きなアドバンテージになります。

特にプレゴールデンエイジ期(5歳から9歳)ゴールデンエイジ期(10歳から12歳)の子供たいは著しく神経系が発達する年代であるということがわかっています。

この期間に積極的に様々な動きを体験、経験させてあげることで、身体が、筋肉が、神経がその動きを覚え、これがのちに運動神経が良いということにつながるのです。

4.具体的な動作モデル10個

ここからは実際にこれからマルチスポーツを取り組んでみたいと考える方に具体的な方法をお教えしていきたいと思います。

まずは簡単にですがスポーツの種類を大きく4つに分けたいと思います。

格闘技;柔道、ボクシング、ほか
体操:器械体操、床体操、ほか
ネット型競技:卓球、バトミントン、ほか
球技:ハンドボール、バスケットボール、ほか

また、ここからさらに10個の動作モデルに分けて紹介していきます。
実際にトレーニングを実施する際には、この10個の動作をそれぞれ取り入れることができるように考えていくと良いと思います。

①バランスと転ぶ
②掴み合いと格闘
③走る
④飛んで着地する
⑤周るとターン
⑥投げるとキャッチ
⑦蹴る
⑧登る、押すと引く
⑨揺さぶる
⑩音楽に合わせて動く

5,具体的なトレーニングの実施方法

ここまで読んで、「マルチスポーツトレーニング方法のメリットもわかったし、具体的な動作モデルもわかった。よし、やってみよう」という方も多いかと思います。

そこで最後に、実際にマルチスポーツトレーニング法を実施する上での注意点を3点お伝えしていきたいと思います。

①年間4種目を目安に取り入れる
②新しい動作モデルを獲得するために十分な時間を得るために、1種目あたり3から4ヶ月をプランする
③1週間に90分(45分×2)

例えばウォーミングアップで少し体操の要素を入れてみよう、今週は少し格闘技の要素を入れてみよう、などと考えていた方も多いかと思いますが、基本的には1種目に対してしっかりと取り組むようにしてください。

少しずつ各種目をかじるのではなく、そのスポーツで必要な動きをマスターするまでが目標であり、そのためにも目安として3から4ヶ月、1週間に90分は時間を取るようにしましょう。

まとめ:色々なスポーツにチャレンジしてみよう

サッカーが上手くなりたいのに、サッカー以外のトレーニングを行う。これだけ聞くと少しリスクを伴うように感じてしまうかと思います。

ですが、そこは子供達の今ではなく将来、未来を見据えて、積極的に大人たちがそういった場を用意してあげることが大切です。

色々なスポーツに取り組むことによって、その子のサッカー選手としての未来だけではなく、さらに大きな可能性を見出してあげることも可能かもしれません。

ぜひ楽しんで、サッカー以外の多くのスポーツにもチャレンジしてみてください。

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