サッカーの「インサイドキック」とは?4つの基本の蹴り方とドイツ式練習例など

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今回はサッカーの基本的な技術であるショートパスでよく使う「インサイドキック」にスポットを当てたいと思います。

インサイドキックとはキックの種類の一つで、基本的には短い距離から中距離までのパスまたはシュートで使用します。

ショートパスとしてのインサイドキックや考え方については『ショートパス|ドイツと日本との考え方の違いとは?2種類以上のパスと練習方法』の記事を参考にしてみて下さい。

インサイドキックは足の中でも比較的広い部分に当てるため、簡単で正確にボールを相手に届けることが出来ます。

サッカーをやり始めた子供でも練習するには最適なパスの蹴り方です。また、すでにサッカーを何年もやっている小中高などの方でも「自分が本当にシッカリとインサイドキックを蹴れているのか?」をこの機会にもう一度確認してみましょう!
目次:

0.動画で解説!ドイツと日本のインサイドキックの違い

記事でも詳細を確認してほしいのですが、まずは気軽に下記の動画を参考にしてみて下さい。

ドイツと日本のインサイドキックの違いが簡単に分かるように、動画で私が解説しています!

1.「インサイドキック」の教え方と蹴り方

私が記事の中でも何度も述べていることなのですが、子供たちに対しては実際に見せることが1番となります。

正しいフォームで蹴っている姿を見せること。これに勝る指導はないと考えます。

それが出来ることは最低限として、更に言語化できることで教える側も理解して指導に当たることが出来ますし、言葉によってピンとくる子供たちもいるでしょう。ですので、今からいくつかのポイントに分けて、基本的なインサイドキックの蹴り方を言葉にしていきたいと思います。

当てる部分(蹴る場所)

まずは足のどの部分を当てるのか。

基本的には足の内側、真ん中にある骨が出っ張っているところに当てます。

ですが、人によってはよりかかと側(より固い部分)に当てる人もいます。固い部分に当てることによってより早いボールを蹴ることが出来るからです。

より重要になってくるのは足のどの部分をというよりも、ボールのどの部分に当てるのかになります。ボールの真ん中に対して、垂直に足を当ててあげる。これが基本となります。

足首の固定

ボールに足を当てる際、大事になってくるのが、足首を固定することです。

始めたばかりの人に多いミスなのですが、当てる部分は正しいのですが、当たった瞬間に足首が固定できていないため、ボールがあっちこっちに飛んで行ってしますことがあります。

力む必要はありませんが、ミスが起きた際、疑うべきポイントとして覚えておくといいでしょう。

軸足の角度

意外と忘れられがちなのが軸足です。

これが非常に重要で、軸足のつま先の方向がボールが飛ぶ方向だと思って下さい。

慣れてくると、あえてその方向とは違う方向に飛ばすこともできますが、まずはしっかりとボールを蹴りたい場所に向かって、つま先を向けることを意識してみて下さい。

蹴る姿勢

姿勢の部分で1番注意してもらいたい部分は「腕」です。

時々、まったく腕を使わずにキックしている子供がいますが、基本のインサイドキックで腕を上手く使う練習をしておかないと後々、ロングキックやシュートを練習する際に支障が出てきます。

キックは足だけで行うものではなく、身体全体でパワーをボールに伝えなければいけません。そのためにも腕は欠かせないものなのです。

具体的に説明すると、蹴り足と逆の腕が蹴る直前に斜め上に上がります。

そしてボールを蹴る際、蹴り足とその腕で体をたたむ形になります。強いキックをしようとすればするほど、この動きが大切になってきます。大げさに動かす必要はありませんが、練習する際は意識させてあげましょう。

以上が、基本的なインサイドキックのポイントになります。

2.しっかり「インサイドキック」が出来ているのかの重要な判断基準

インサイドキックの練習をする際はボールがまっすぐ転がったなどの結果などだけではなく、先ほど説明したフォームにも十分に注意を払ってあげてほしいと思います。

それが後々のサッカー人生においてとても価値のあるものになるでしょう。

ですが、今蹴ったボールが良いのか悪いかの判断基準は欲しいところだと思うので、少しそれに関しても説明します。

キックというのはこだわりだすと終わりがないもので、目的はもちろん相手に届けることですが、その中でも、相手の右足なのか左足なのか、強いボールなのか弱いボールなのかなど判断基準は多数存在します。

ここまでは見て簡単に判断できる部分だと思います。

では今回はボールの中心を捉えることが出来ているかどうかを判断する方法を教えたいと思います。

ずばり、ボールの真ん中を捉えることができた場合、ボールは最初の数メートル無回転で進んでいきます。

表現するならば芝の上を転がるというよりは、滑っている感じですね。その後ボールは転がり始めます。このボールが基本的なインサイドキックのボールであり、受け手が1番受けやすいボールになります。ぜひ、パスの正確性に加えてこの判断基準でも善し悪しが判断できるようになればいいですね。

3.ドイツ式「インサイドキック」の練習法とパススピード

先ほどはどのように転がるボールがいいボール(いいインサイドキック)なのかを説明しましたが、実際にドイツではここまで丁寧に指導している様子を見たことがありません。

ショートパスの記事でも述べさせていただきましたが、ドイツでまず求められることがスピードです。

多少浮いていようがそこは問題ではなく、相手にぶつけるくらいの感じパスします。止められなかったらそれは受け取る側のせい、そのスタンスがトラップの技術も向上させている要因だと思います。

パス練習だけがパスの練習ではない

「インサイドキックの練習をしましょう。」こう言われた時、多くの人が2人組で対面パスを思い浮かべると思います。

もちろんそれが基盤となる部分であり、それが出来なければ次のステップには進めないでしょう。ですがサッカーとは常にいろんな状況下でプレーすることが求められます。

相手からプレッシャーも受けます。すばやく判断してそれを実行しなければいけません。

ドイツの指導者講習会ではよくこのトレーニングでは何を求めていますか?といった質問をされます。

戦術的なもの(攻守の切り替え、カウンターなど)はもちろん、技術的な部分でも考えなければいけません。ショートパスなのかロングパスなのか。

そのためにはどの種類のキックが必要なのか?そしてそのためにどういった制限を付けてあげたらいいのか。とくにジュニア世代ではこういった技術的要素もトレーニングに組み込む必要があるでしょう。

パススピードを重視する「ドイツ式」インサイドキック練習法

一つ例を挙げてみたいと思います。

ブンデスリーガの試合を見たことがある方はわかると思いますが、ドイツのサッカーというの「速い」です。

どんどん前に進んでいきます。その一つの要因が先ほど挙げた、ドイツではまず早いボールを要求するといった部分だと思います。

その練習法が次となります。これには5人以上の選手が必要なので、チームでのトレーニングには最適です。

その1.4人の選手をジグザグに配置します。

その2.選手Aがパスして落としてもらうを繰り返します。

たったこれだけの練習ですが、応用として、最後をシュートで終わらせたり、チーム戦にしてタイムを競わせたりするとより盛り上がると思います。

大事なことはスピード感をもつこと。正確にすることももちろんですが、パスのスピード、走るスピードを上げることを要求してあげてください。

※このトレーニングではインサイドキック以外の(アウトサイドなど)のパスも使っても構いません。

インサイドキックができるようになって、いつまでも丁寧にパスを出すことを意識するのではなく、このようにスピードに比重を置いていくことで、更に実践に活かされるインサイドキックが使えるようになります。

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