以前の「サッカーの「インサイドキック」とは?4つの基本の蹴り方とドイツ式練習例など」で詳しく書かせていただいのですが、ドイツでは特に強くて速いパスが求められます。
日本だと正確に相手の足元に優しいパスをしましょうと教えると思いますが、ドイツではまず強いパス、速いパスが最重要、その後に正確性が求められる。と思って下さい。
簡単にまとめると下記がパスの違いです。
- ドイツ・・・強くて速いパス
- 日本・・・正確で優しいパス
考え方が全く違いますね。
よってここでは、海外でも通じるインサイドパスのトレーニング方法をご紹介します。ドイツで実際にトレーニングに取り入れられているもの、また一人でもできるトレーニングをご紹介します。
目次:
目次
0.動画でドイツ式「インサイドパス」のトレーニングを確認!
まずは、動画でトレーニングをすぐに確認してみよう!
1.トラップミスは受け手の責任になる!?
冒頭でもお伝えしていますが、そもそもパスの概念が違うので、パスが成立しない(トラップミスなど)は出してと受け手のどちらの責任になるのでしょうか?
例えば下記をイメージしてみて下さい。
カウンターのシーンで、ある選手が速いけど少し浮いてしまったパスをしたとします。
そのボールに対して、受け手の選手は止めることが出来ませんでした。
このシーンで日本ならば、なんでそんなパスを出すんだ、受け手のことを考えろと言うことが多いと思います。
ですがドイツでは、なんでそのボールを止められないんだ、となるのです。
国柄や国民性も関係しているかとは思いますが、速いパスを求められているから出した、後は受け手の問題、という訳です。
2.強さと速さがドイツサッカー
ブンデスリーガの試合を見たことがある方は分かるかと思いますが、ドイツのサッカーはものすごく速いです。
ボールが行ったり来たりします。サッカー関係者じゃない方によく「なぜドイツのサッカーはこんなにも速いんですか?」と質問を受けることがあります。
その答えの一つにこのパススピードが関係していると僕は思います。
日本サッカーがもう一皮むけるためのヒントがこれなのかもしれません。
まずはパスの基本中の基本の「インサイドパス」について「ドイツ式トレーニング」をご紹介します。
3.ドイツ式「インサイドパス」のトレーニングとは?
日本ではインサイドパスのトレーニングを行う時に、コーンを目標物として正確性を求めることが多いと思います。
実際ドイツでもそういったトレーニングも行いますし、何より子供たちが楽しくインサイドパスの数をこなすことが出来ます。
ですが、ドイツではあるものを使って強さ速さを求めます。
メディシンボールを使ったトレーニング
ドイツでは目標物としてコーンではなく、メディシンボールを使うことがあります。
それはなぜか?
そもそもメディシンボールを知らないという方のために簡単に説明しますが、筋トレのための重たいボールのことを言います。
2キロから5キロくらいの重さがあり、本来はそれを使って腹筋などを行うための道具です。
要は重たいものを目標物にしているのですが、それをボールをぶつけて飛ばそうと思ったら、パワーが必要なのです。
もちろんボールなので大き物ではありませんし、強さにプラスして正確性も求められます。
一人で出来る「インサイドパス」トレーニング例
トレーニングとしては簡単です。
メディシンボールにボールをぶつけてゴール(例えばタッチラインなど)まで飛ばします。
その際、キッカーの位置は変えないで行うと自然とボールまでの距離も変わるので色々な距離のインサイドパスのトレーニングになります。
とりあえず強いパス、速いパスでボールを蹴ることを意識してトレーニングを行なって下さい。
※メディシンボールの重さや距離は選手レベルに応じて変えてあげて下さい。
もしメディシンボールが小さすぎて難しい場合はもっと大きものに変更しても構わないと思います。
それこそコーンでも良いでしょうし、下記のようにドイツではジュースを入れる箱などを置いてこのトレーニングを行なったりします。
複数人またはチームとして行う「インサイドパス」トレーニング例
2人以上、またはチームとして行う場合には対戦形式にしてあげると盛り上がって良いと思います。
トレーニング例その1
ひとり当たり3球で最終的にメディシンボールを相手の陣地に入れていたほうが勝ち、というトレーニング方法です。
※この練習はどちらかというと少数人数で行う場合に適していると思います。下記の写真のように2対2ぐらいでもできます。
トレーニング例その2
さらに大人数でできる場合は、メディシンボールの数を増やしたり、目標物であるボールが相手のゴールラインを割るまでなど。
またそれに時間を設定してあげると、飛んで行ったボールを取りに行くためにダッシュの要素が入ったりするのでウォーミングアップなどに入れてあげるのもおすすめです。
このトレーニングは楽しく行うことが出来ます。また色々とアレンジを効かせることもできるので是非1度やってみて下さい。