ストレッチとはなんでしょうか?
「学校の体育の授業で行うあれでしょ。」
と多くの方は思ったかも知れません。
準備運動、準備体操なんて言う呼び方の方もいらっしゃるかも知れません。
では具体的に、何のために行っているのか?またどうやって行うのか?
それらを説明できる方は少ないかと思います。
今回はドイツ、特にサッカーの世界での、ストレッチのあり方について説明していきたいと思います。
目次:
1.ドイツにおける「ストレッチを行う4つの目的」とは?
ドイツ、ここではサッカーにおけるストレッチの目的をそれぞれ見ていきます。
可動域を広げる
皆さんの想像していたものとは違うかも知れませんが、トレーニングとしてのストレッチというものが存在します。
可動域が広がることによってどんな意味があるの?と思う人も多いと思いますが、これはものすごく重要なことです。
例えば少しずれたパスに対して可動域が広い人はその非常に対して無理が効きます。
この1本のパスが受け取れるかどうかは小さいことかも知れませんが大事なことになって来ます。逆を言えば可動域が狭い人は無理が効かない。
無理をしてボールを受け取りに行ったとしても、高確率で筋肉系の怪我に繋がります。
怪我の予防
これは皆さんが想像している通りのストレッチだと思います。
この項目は先ほどの「可動域を広げる」とかぶっている部分が多いです。サッカー選手としての能力を上げるために可動域を広げる。
結果として怪我のリスクも下がる、ということです。
トレーニングに対する準備
これが日本で言う、準備体操、準備運動です。
その日に行うトレーニングに対してよく使うであろう筋肉は動かして準備してあげる。
後で詳しく書きますが、可動域を広げるためのストレッチとこの準備のためのストレッチではやり方が違います。
疲労回復
ストレッチによって疲れを取ることも出来ます。
疲れているからと言って、横になっているから疲れが取れるわけではなく、少し体を動かしてあげる、そうすることで血の巡りが良くなり上手に疲れを抜く事ができます。
4つの目的を挙げましたが、ストレッチに関しては正解というものがありません。
多くの研究者が正解というものを探してはいますが未だ見つかっていないというのが現状です。
ですがそんな中で、ドイツサッカー協会が提唱しているストレッチの方法があるので、ここではそれを紹介して行きたいと思います。
2.ドイツサッカー協会が提唱しているストレッチの方法とは?
まずは先ほど後で説明すると言いましたが、トレーニングとしてのストレッチと準備のストレッチではやり方が違います。
動的と静的と言う言葉は聞いた事がありますでしょうか?
動的ストレッチとは字の如く、動かしながらストレッチするもの。
逆に静的ストレッチとは静止した状態でのストレッチになります。
サッカー協会のホームページには、可動域を広げるためには、20秒から25秒静止する事と書かれたいました。
ということは静的ストレッチを指定された秒数行う事が可動域を広げる、トレーニングのためのストレッチということになります。
対して準備としてのストレッチは、5秒以上行ってはいけないと書かれています。これはイコール動的ストレッチだということになります。
実際ドイツサッカーでは練習前や試合前に静的なストレッチは行いません。
小さい子供になればなるほど準備体操などは行わずに、すぐにトレーニングに入ったりもします。
ただしここで気を付けなければいけないのは、思春期に入った子供たちにはストレッチは非常に大きな意味を持ちます。
それはなぜか?
人は(特に男性)は思春期に入るとホルモンが大きく変化します。
この際、筋肉にかかる負担、(筋肉量)が大きくなるので、筋肉系の怪我が増えるのです。よって小さい頃はいきなりトレーニングに入っていったとしても、何の問題も無かったのに、と言ったケースがあるのです。
ですので指導者の方は中学生くらいに子供たちには準備の大切さ、やり方を教える必要があり、コントロールしてあげる必要があるのです。
ここからは特にサッカー選手に大切なストレッチの部位を書いてみたいと思います。
- ふくらはぎ
- もも前
- ハムストリング
- 内転筋
- お尻
以上の5箇所は特に意識してストレッチを行うようにして下さい。
※GKには更に上半身のストレッチが必要になります。
まとめ
若い選手たちにはもっとストレッチを身近なものにさせる必要があります。
怪我をした経験がなく、重要性を理解していない選手が多いですが、怪我してからでは遅いのです。
大事なことは、わかりやすく伝えてあげること、常に指摘してあげる事。その際どこの筋肉が伸びているのか、感覚を大事にしてあげること。
何のためにストレッチを行っているのかを理解して、できる選手はその後、大人になった時にも大きなメリットを得る事ができるはずです。