サッカーの代表的なトレーニングのひとつに「鳥かご」というメニューが存在しています。小学生からプロのサッカー選手までが簡単に楽しく取り組めるトレーニングメニューです。
ドイツでもプロ・アマ問わず多くのサッカーチームで練習前であったり、チーム練習のウォーミングアップとして取り入れられています。
また、この「鳥かご」というメニューは非常にアレンジが効くトレーニングメニューでもあります。大きさや人数、細かなルールを加えることで色々と形を変えることのできる汎用性の高いメニューなのです。
今回はその「鳥かご」に少しのルールを加えて、より「遊び」感覚を持って取り組める様にしました。そうすることで、特にウォーミングアップとして、選手たちは「楽しく」「盛り上がって」その後のメインのトレーニングに入ることができる様になるかと思います。
いつも行っている「鳥かご」のメニューにアレンジを加えたい。または、盛り上がって行えるウォーミングアップの練習メニューが知りたい。
そんな方々にぴったりの内容になっていますので、ぜひ最後まで見ていってもらえればなと思います。
目次
1.鳥かごを使ったウォーミングアップの様子を動画で確認!
2.鳥かご バリエーションver.のやり方
まずは以下の様に選手、マーカー、コーンを配置してください。(選手の人数やグリッドの大きさは行う人数、レベルに応じて変えてください)
基本的には普段行っているボール回しと同じルールで行います。例えばバサラマインツで言えば、パスはダイレクトのみ、パスが20本通るか、また抜きで中の鬼は「タメ1」となり2回奪わなければ交代できません。
ここからがアレンジポイントになってくるのですが、中の鬼の選手たちが交代する方法が2つあります。
1つ目はボールを奪う方法。これは普通の鳥かごと同じですね。相手のパスをカットしてボールを奪ったり、相手がミスしても交代となります。
2つ目の方法が、中に入っている鬼の選手たちがグリッドの外に配置されているミニコーンをタッチする方法です。各辺の延長線上に配置されている4つのコーンのうちどれかひとつにタッチすることができれば、交代となります。
その時に外でボールを回している選手たちは、外に向かおうとする鬼の選手をタッチすることで外に行くことを阻止することが出来ます。
鬼の選手の交代方法ですが、基本的にバサラマインツでは2人交代としています。例えば1人の選手がパスミスをしたとすると、そのミスがひとつ起きる前、パスミスをした選手にパスを出した選手が一緒に鬼に入ることになります。
もしくは選手Aと選手Bの間のスペースを走られて中の鬼の選手にコーンをタッチされた場合はその選手Aと選手Bが鬼に入ることになります。
3.このウォーミングアップメニューで大事なポイント3つ
ポイント1.コミュニケーション
このトレーニングでは選手間でコミュニケーションを取ることがものすごく大事になります。
自分の隣のスペースを抜かれると自分が鬼になってしまうので、常に両隣の選手たちとコミュニケーションを取りながら一緒に守備をしなくてはいけません。
ですが、ここでいうコミュニケーションとは、別に選手同士で話をしなくてはいけないということではなく、例えば、バサラマインツには日本とドイツのみならず多くの国の選手が在籍しています。そんな中で、隣の選手の名前を呼ぶだけでも、立派なコミュニケーションとなり、しっかりと守備をすることが出来ます。
楽しみながら、遊び感覚で行えるメニューですので、普段よりも積極的に大きな声で選手たちもコミュニケーション取っている様子を見ることが出来ます。
ポイント2.常に注意を向ける(頭を起こした状態でいる)
2つ目のポイントになるのが、常に目の前の状態、状況に目を向ける、注意を向けなければいけないということです。
これはどういうことかと言うと、サッカーというスポーツでは90分の試合時間のうちほんの数分しかボールを触っている時間はないと言われています。
要はほとんどがボールがない状況でのプレーになるわけです。ですが多くの選手がそのボールがない状況で寝てしまっていることがあります。
このトレーニングでも同じことが起こり得ます。例えばパスを出した後、ぼーっとしていると、中の鬼の選手に走られてしまいます。逆に外のコーンばかりを守ることしか考えていないと、ボールが来たときに対応することが出来ません。
ですので、このトレーニングでは常に選手が関わっている状態で練習が進んでいくので、選手たちは寝る(ぼーっとする)ことが出来ないことになります。
ポイント3.距離感
ポイント3つ目は距離感です。
距離感とは自分と味方選手はもちろん、相手選手の位置、ボールの位置、それぞれの距離感のことです。
実際の試合でもこの距離感というのはすごく大事なってきます。ボールばかりを目で追ってしまっていると、自分のマークの選手がスペースに走っていてフリーで受けられてしまったり、相手選手が近くにいる味方選手にパスを出してボールを奪われてしまったりするでしょう。
この鳥かごでも、ボールばかりを目で追っていると、簡単に相手選手に自分の横を走られてしまいます。反対にボールを目で追えていないがために、パスがきた時にしっかりと反応することが出来なくて、そのままミスにつながるということもあると思います。
ですので先程のポイント2とも少し被っている部分がありますが、ボールがピッチの上にある間は注意が途切れることがありません。その中でどこにいつ注意を向けるのかを意識して行えるとより良いトレーニングができるかと思います。
まとめ:ちょっとした工夫でいつもの鳥かごをさらに盛り上がるものにしよう
ウォーミングアップというのはその日の練習を作る上でも非常に大切なものになります。
選手たちが「楽しく」「盛り上がって」練習に入れるようにいつものウォーミングアップに少し工夫を加えてみましょう。
真剣さ、集中力はもちろん大切な要因です。それにプラスして楽しさが加わることでよりトレーニングの効果がアップすると思いますので、日頃から同じウォーミングアップでトレーニングに入っているなと思っている方は、ぜひ取り入れてみて下さい!