サッカーのポジション毎に必要な特徴は何!?1〜6位までを紹介!

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若い才能の発掘の為に激しい競争を繰り広げるサッカー界ですが、未だにどのビッグクラブであっても確実な才能発掘のレシピは持っていません。

そんな中、イギリスのサイモン・J・ロバーツの研究は、今までの選手に対しての主観的な評価をより簡易に、そして効果のあるものに出来る可能性を見出しています。

サッカーの「才能発掘」に必要な40の特徴と隠れた資質とは?』の記事をご参照ください。

今回の記事ではイギリスの優秀な育成年代の指導やスカウティングに関わる専門家達が導き出した、トップタレントが持つ40の特徴をさらにポジション毎にランキング形式で紹介していきます。

1.ポジション毎、特徴ランキング1〜6位

ポジション毎で何が重要視されれるのか?の特徴をランキングにしています。

①が1位の意味で、最重要視される特徴という見方になります。

センターバック

①判断力②ヘディング③守備動作④ポジション二ング⑤ファーストタッチ⑥パワー

サイドバック

①タックル②浮き玉パス③パス精度④俊敏性⑤ファーストタッチ⑥加速力

センターハーフ

①判断力②プレッシャー下での技術発揮③パス精度④ポジション取り⑤ファーストタッチ⑥持久力

サイドハーフ

①判断力②プレッシャー下での技術発揮③浮き玉パス④ドリブル⑤俊敏性⑥持久力

フォワード

①予測力②シュート③ファーストタッチ④1対1⑤動作の速さ ※フォワードのみ5位まで

2.明らかになった判断力の重要性

上記のポジション毎の特徴ランキングを振り返ると、ランキングの上位に多く入っているのはカテゴリーで見ると「心理」と「技術」になります。

その中でも3つのポジションで1位に選ばれているのが判断力で、この特徴がいい選手になる為の重要なポイントになってきます。

ただ、指導現場やスカウティングの際にどれほどこの判断力は正しく評価されているのでしょうか?

ドイツサッカー協会でも指導者が選手のプレーのミスを評価する際にまずは、そのミスが技術的な問題(目に見える)で起きたものなのか?それとも判断を下す過程(目に見えない)がミスの原因だったのかを分けて考える必要がある事を指導者に教えています。

例えば、ある試合で選手のパスミスが目立ち「前回の試合ではパスミスが多かったから、これからは徹底してパスの精度を上げるためにトレーニングをしよう!」と指導者が心に決めたとします。

ここでは指導者は選手の「パス精度」という技術面の向上を図るわけですが、もしもその試合で起こったパスミスの多くが判断を下す過程が原因で起こったものであれば、言うまでもなく伸ばすべきは選手達の判断力という事になります。

間違えないで欲しい部分は「時代は判断力だ!パス精度より判断力を鍛えよう!」と、パス精度の習得を怠っては、試合で活きるパスは出せないという事です。

判断力とパス精度(技術)は表裏一体という事を覚えておきましょう!

3.身体的な特徴は重要度としては低い!?

ポジション毎の特徴ランキングを振り返ると、上位の特徴は心理的&技術的なものが多く、身体的特徴は6位中全てのポジションで1つ、多くても2つしかランクインしていません。

それでは果たしてサッカーにおけるフィジカル能力はそこまで重要ではないのでしょうか?

答えはNOです!

レベルが高くなれば高くなるほど、高いフィジカル能力が求められます。

それでは何故今回のポジション毎で必要になる特徴ランキングに身体的特徴があまり入っていないんだ?という話になりますが、それはフィジカル能力ありきでこのランキングが作られているからだと考えられます。

実際に私が1.FCマインツ05のトップチームでザンクト・パウリとのテストマッチに出場した際に強烈に感じたのはピッチに立っている選手全員のフィジカルレベルが凄く高いという事でした。

フィジカル能力が高い事は前提で、さらにその中でも飛び抜けたパワーや加速力などの特徴が必要になるという見解になります。

4.特徴から見えるポジション毎に求められるプレー

センターバック

判断力が最重要となる特徴とされているが、ここに紐付くのがポジショニングでしょう。

スピードのある相手選手にスピードで対応するのではなく、試合の状況を読み、相手よりもいいポジショニングを取れる判断力が重要です。

現代のサッカーではゴール前のスペースはより小さくなっている事も、この特徴が選ばれる要因になっています。

そしてゴール前で発揮されるヘディングの技術や守備動作はセンターバック必須の特徴になります。

サイドバック

タックルが1位に順位されている事で、相手にセンタリングを上げさせない事の重要性が伺えます。

また浮き玉パスは=センタリングでもあるので攻撃参加が出来る事もこのポジションの必須条件です。

その他、サイドバックにボールが出た時にプレッシャーをチーム全体でかけてくる相手に対して、ファーストタッチの技術を高めると状況打開の選択肢が増え、貴重な戦力になれるでしょう。

センターハーフ

このポジションの選手は多くの場合、あまりスペースが無い状況で相手の強いプレッシャーがかかる状況にいます。

だからこそプレッシャー下での技術発揮は重要な特徴となります。

そして技術力の発揮に欠かせないのが判断力です。

またポジショニングの特徴は現代サッカーで主流なコンパクトな守備をする相手の陣形を崩す為に重要視されるハーフスペースを攻略する技術、そしてそのハーフスペースでボールを受けた際のファーストタッチも次のプレーへの移行をスムーズにする大切な特徴になります。

サイドハーフ

センターハーフと同じく、中盤というポジションに最も求められるのはやはりプレッシャー下での技術発揮とその為に必要な判断力です。

また浮き玉パス(センタリング)とドリブルがランクインしているのは、ヨーロッパではより、サイドの攻撃的選手が起点となって得点を演出する事を強く求められているからです。

興味深いのはこのポジションだけは2つの身体的特徴の俊敏性と持久力が入っている事です。俊敏性は攻守に渡り差を生み出す為に必要ですが、持久力は攻撃のみではなく現代のサッカーでサイドハーフの選手の守備参加がとても重要視されている証しでしょう。

フォワード

ゴールの嗅覚という言葉を天然のストライカーの特徴を表す言葉として聞いた方も多いかと思いますが、この能力は正しく予測力の事だと言えるでしょう。

この予測力を活かしてチャンスシーンに現れる選手と言われて私が思い付くドイツ人はトーマス・ミュラー選手です。

その他の特徴であるシュート、ファーストタッチ、1対1、動作の速さ、はペナルティエリア内、もしくはペナルティエリア近くでのプレーを想像させます。説明の必要はないかもしれませんが、ゴール前の一瞬の質で試合を決める得点を決める事を一番求められるポジションです。

個人的にも凄く期待が持てるのは、相手ディフェンダーをぶっちぎるスピードでも、圧倒的な空中戦の強さでもなく、日本人選手が強みを十分に出せる特徴がフォワードに求められているという部分です。

まとめ:選手達の才能を見抜く目を持ち、将来性を見据えた指導とスカウティングを


今までの主観的な指導やスカウティングに合わせ、この言語化されたポジション毎に必要な特徴を頭に入れる事で、才能の発掘の可能性を上げる事は可能です!

特徴に照らし合わせてポジションを選ぶ事で選手自身の可能性も広がると思います。

アジアの壁と言われた元日本代表の井原正巳選手は高校の時まではフォワードとしてプレーしていましたし、Jリーグで2度得点王に輝いた中山雅史選手もユース年代の代表ではセンターバックを務めていました。

2人ともポジションに合った特徴を当時の指導者が見抜き、全く逆のポジションにコンバートして日本を代表するプレーヤーになりました。

才能発掘の競争は今後も激しさを増していくと考えられていますが、大きな投資をしなくても、今回紹介した研究で明らかになったポジション毎に必要な特徴に目を向ける事で、皆さんの指導力やスカウティング能力の助けになり、選手たちの将来性を見据えたアプローチがより良くなっていくきっかけになれば幸いです。

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