最近だとインターネットの普及により、世界中のトレーニングを簡単に探すことができるようになりました。
指導者としての自分自身のレベルアップ、または自チームやそこに所属している選手たちのさらなる上達のために日々アンテナを張っている方も多いかと思います。
サカストでも、そのような方達に、少しでも力になれるようにと発信し続けています。
さて、そんな日々何か新しいことを取り入れていきたいと思っている方達にこそ、今回の記事は非常に興味深く、また意味のあるものになることだと思います。
今回はドイツ生まれの新しいトレーニンググッズ「skillshirts」を紹介します。
このトレーニンググッズを使うことでどういった効果が得られるのか、また実際にFCバサラマインツで使用している映像とともに、具体的なトレーニング方法をいくつか紹介していくので、ぜひ最後まで読んで見てください。
目次
1.「skillshirts」具体的な使い方(ウォーミングアップ編)を動画で確認!
2.ドイツ発のビブス「skillshirts」とは
まずはこの新トレーニンググッズ「skillshirts」とは何なのか?
スキルシャツとは簡単に言ってしまうとさまざまな色が入ったビブスです。このビブスは左側と右側でそれぞれ別々に色分けされており、この色分けを使って、直接的であったり間接的に制限をかけていくことでトレーニングしていきます。
スキルシャツは12枚1セット(同じ色の組み合わせが2枚×6セット)で構成されています。またこの色の組み合わせはそれぞれ左右対象となっています。
年齢やレベル、スポーツに問わずこのスキルシャツは使用することが出来るので、ぜひ全ての方に参考にしていただきたいと思います。
3.最新グッズ「skillshirts」おすすめポイント3つ
頭を使う
このスキルシャツを使う上でまず大きな効果として期待できるのが、この「頭」の部分です。言い方を変えるのであれば認知となります。
サッカーでは実際にプレーが実行されるまでに3つの過程を経由することになります。
1つ目が今、話にで出てきた認知です。今、実際に目の前で起きている状況を見ること。
意外とこの「見る」ということ自体ができていない選手はたくさんいます。まずはしっかりと見ること、そしてそれを元に判断することが2つ目の過程になります。最終的にその判断を実行する。この3つの過程を経て1つのプレーが行われているのです。
ですので、1つのミスが起きた場合にはこの過程のどの部分で起こった現象なのかをまずは考えなければいけません。
話を戻しますが、その1つ目の大事な部分である認知を、このスキルシャツを使うことで鍛えることができます。
実際にこのスキルシャツを使ったトレーニングを行う際には、ビブスの色単体で行うこともできますし、映像にもありました通り、マーカーと結びつけたり、ミニゴールやスペースと結びつけて行うことができます。
選手たちは自分が着ているビブスの色、コーチからのコマンド、それぞれの道具の色などを瞬時に観察して、今その瞬間に自分がしなければいけないことを判断し実行しなければいけません。
楽しくトレーニングできる
2つ目のポイントが「楽しくトレーニングできる」です。映像を見ていただけると分かるかと思いますが、選手たちはそれぞれものすごく楽しそうにトレーニングに参加しています。
今まで行ったことのないような刺激が入ることでマンネリ化も防ぐことが出来ますし、サカストのサイトでは常々言っていますが、まずは「楽しくサッカーをする」ことが重要だと考えているので、この点においても、このトレーニンググッズを使用する大きなメリットになることでしょう。
コミュニケーションが取れる
チームの立ち上げ時期など、新しい選手が多く入ってきたときには、練習からコミュニケーションを取ることが非常に大切になります。
名前を呼び合ってパスをしたりが、ポピュラーなトレーニング方法の一つかもしれませんが、このビブスを使うことで先ほどポイントとして挙げた楽しくにプラスしてコミュニケーションの要素を付け加えることが出来ます。
特にバサラマインツでは日本人やドイツ人だけではなく、さまざまな国の人間がプレーしています。
そんな中でいかに楽しく、自然にコミュニケーションを取らせるのか、この部分でもこのスキルシャツは大きな役割を果たしています。
4.「skillshirts」を使った具体的なウォーミングアップの方法を5つ紹介
ここからは具体的なウォーミングアップのやり方を紹介していきます。
今回は基本的にボールを使わないパターンのものを紹介していきますが、次回はボールを使ったパターン、さらにポゼッションのやり方なども紹介できればなと思います。
まずは以下のようなグリッドを作ってください。人数やレベルに応じて大きさは変更してもらって大丈夫です。
それぞれの各辺にビブスに存在している色(赤、黄色、緑、青)を各ペアが均等になるように配置します。
ウォーミングアップですので、基本的にはグリッドの中で選手たちはそれぞれ、またはコーチの指示に従って、動きを入れていきます。(サイドステップやクロスステップなど)
動きの中でコーチからコマンドが入りますので、それに対して選手たちはそれぞれ判断して動くことになります。今回はそのコマンドを5つ紹介していきます。
①rechts(右)
これは簡単ですね。自分の右側に入っている色のマーカーまで走っていきます。このときに、人数より少し少なくマーカーを設置することによって、余る選手を作り、競争意識を持たせるとより楽しくなると思います。
②links(左)
右の反対です。左側の色のマーカーまで走っていきます。
③zwischen(間)
このコマンドが入った場合には選手が来ている2色の色の間に立たなければいけません。例えば赤と緑の色を着ている選手であれば、赤と緑のマーカーの間に立ちます。
④zusammen(同じ)
このコマンドでは同じペアが一緒になります。各色がそれぞれワンペアずつあるはずなので選手たちはそれぞれ素早く味方を探して集まる必要があります。
⑤各色を指定する
最後はビブスの色を指定するコマンドです。例えば「赤緑」といったコマンドがコーチから入った場合、その瞬間から赤緑のビブスを着ている選手たちが鬼となり鬼ごっこがスタートします。
今回は動画の最後に、少しだけボールを使ったトレーニングも紹介しているのでそちらも最後に紹介していきます。このボールを使ったトレーニングはスキルシャツのホームページでも紹介されており、スキルシャツを使う上で基本的な考え方になります。
先ほどと同じグリッドの中で、人数に応じてボールを数個入れます。選手は色に応じてパスとトラップをしていきます。
どういうことかというと、例えば右側が赤、左側が緑の選手がいたとします。彼は右足では赤を持っている選手にしかパスを出すことができず、また反対にボールを受ける側も赤色からボールが飛んできたら、自分の赤色側の足でトラップしなければいけません。
最初は慣れるまで難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると非常に楽しく、また、さらに発展させていけるトレーニングになります。
コーチングのポイントとしては、ボールをもらう前に考えさせること。ボールをもらってから、誰に出そうか、自分の色は何かと考えるのではなく、事前に見ることでその問題を解決していくことがこのトレーニングの肝になると考えています。ですので、選手が慣れてきたなと思ったら、タッチ数を制限するなどしてみるといいでしょう。
まとめ:楽しく認知を鍛えよう
今回の記事を読んで実際に使ってみたいと思った方は、ホームページより購入することが出来ますので、ぜひ一度覗いてみてください。
このスキルシャツは応用次第でいくらでもトレーニングの幅を広げることが出来ます。皆さんの中で何か面白いトレーニングを思いついた方はぜひご連絡ください。
お待ちしております。