ドイツサッカー協会が勧めるコーチングスタッフ(指導者)の構成方法

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先日インターネットのニュースで非常に興味深い内容のものを見つけました。

それは「ドイツのアンダーカテゴリーに代表チーム、監督3人制」というものです。

これを聞いた人のほとんどは頭の中にはてなマークが浮かんでいるかも知れません。

私もそうでした。3人の監督???

今回は3人制といった話から、今ドイツサッカー協会が指導者育成の際に教えているコーチングスタッフの構成方法について書いていきたいと思います。

目次:

ドイツサッカー協会が勧めるコーチングスタッフの構成方法(動画解説)

1.3人制とはどういうことか?

では監督が3人とはどういうことなのでしょう。

ただ単純に数を増やせばいい事が起こるなんていうことではなく、しっかりと理由を持って3人の異なった人材をチームに入れる事が大事になります。

下記にあるタイプの異なった3人の監督を融合させることにより、良い質の高いコーチングを可能にすること、そひてまた指導者自身もお互いに刺激を受けながら成長していく事が目的とされています。

1人目の監督

まず1人目ですが、「元プロのサッカー選手」で長年トップレベルでプレーし、結果を残してきた「経験豊富」なタイプの監督。

2人目の監督

2人目は育成に特化した育成年代のスペシャリスト。

3人目の監督

3人目は若くて新しい技術やデータに強く、知的好奇心が旺盛なイノベーションタイプです。

2.指導者である「監督」の立ち位置とは?

監督と言えば、絶対的な存在、そんなイメージを持っている方もいるかと思います。

また逆にコーチングスタッフに対してはそんな監督を支えるのが仕事だというふうに考えていう人もいるかも知れません。

年々進化していくサッカー界では日々新しい物が取り入れられ、チームの枠組みがだんだんと大きくなってきています。

もちろんそれに伴って、そのチームを支える「スタッフのチーム」も大きくなっていかなければいけません。

挙げるとキリがないですが、監督、コーチ、ゴールキーパーコーチ、フィジカルコーチ、スペシャリスト(育成専門コーチ、技術専門コーチ、リハビリ専門のトレーナー、ビデオ分析官、チームドクター、料理長)etc、、、。

パッと挙げるだけでもこれだけの人数がチームに関わることになります。そんな中で監督に求められる能力というのはどんどんと複雑化してきているのが現状です。

監督に求められるのはマネジメント力

責任感の強い監督ほど、チームが大きくなるにつれて自分で指導などをやらないとといった気持ちが強くなるかも知れません。

ですがここで1番大事なのは「マネジメント力」になってきます。

あれもこれも自分でやらないとと思っても実際には不可能ですし、スタッフの力を最大限引き出してあげることでチームがより強く、良い方向に進むでしょう。

では具体的にどのようにするのか。まずは責任感を与える事が大事です。そのためにも「役割分担」をすることになります。

具体的な役割分担の例

では具体的に練習中の役割とはどいういった物があるのでしょうか?

例えば、ゲーム形式の練習をするとして、監督が横からボールを出して、時間も見て、ルールも確認して、その上で選手個人個人に対する評価、チームとしての戦術の確認。

これらを1度にすることはなかなか難しいかと思います。

これを例えば監督は選手個人個人のパフォーマンス、チームとしての戦術の確認だけに集中するために、コーチにはルールの確認(時間だったり、タッチ制限であったり、オフサイドであったり)をしてもらう。

またゴールキーパーコーチにはゴールの後ろにいてもらい、キーパーに対するコーチング、またはそのままディフェンスラインに対してもコーチングしてもらうようにします。

こうすることでそれぞれがそれぞれの仕事に対して集中して取り組む事ができるのです。

以上ではトレーニングの中での試合形式における役割分担の例として紹介しましたが、もちろん試合形式前の導入部分、またはメインメニューにおいても役割分担は大事になってきます。

下の表が役割分担の一例となります。これはあくまでも例の1つなので自分のチームに合ったやり方を探してみて下さい。

または次のような役割分担です。

指導者の方にとって自分の仕事に集中できる環境を作る事でより良いコーチング、パフォーマンスが発揮できることになり、結果選手がより成長し、チームが強くなっていきます。

アマチュアクラブの環境でもできる?

こんな事ができるのはプロクラブだけでしょ?と思う方もいるかもしてませんが、もちろん1番最初に挙げただけのスタッフが毎練習に来て仕事することはアマチュアクラブではなかなか難しいかも知れません。

例えばバサラマインツの場合では監督に加えて、アシスタントコーチ、ゴールキーパーコーチが在籍しています。

実際の試合の際には監督は自チームの選手のパフォーマンス、戦術的なことに集中をし、アシスタントコーチには相手チームの分析、フォーメンションや強み、弱みなどをみてもらっています。

キーパーコーチには主にセットプレーに目を配ってもらいます。

先ほども言いましたが、なかなかスタッフの数が揃わない、などの問題を抱えているクラブも多いと思いますが、その中でももしスタッフの数などが揃っている環境にいる方は是非そういった観点からもアプローチしてみて下さい。

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